お披露目会 パート3

お披露目会パート2の続き

緊張でカチコチのまま、バッティングを始めようとコイン投入口に向かった。コイン投入口の横にはスピードを選ぶボタンがあって、そこを確認すると時速100kmが選ばれていた。Rさんと同じ条件で挑戦しようとスピードはそのままにしてコインを入れて、素早く打席に向かった。

そして私の初球がやって来た。

「ドスン」

鈍い音が響き渡った。それは空振りした時に衝撃吸収用のボードに当たる音だった。私は恥ずかしさのあまり首をかしげるしか方法がなかった。

ただでさえ緊張状態だった上に、1球目に空振りしたものだから地に足がついていなかった。地球上から重力がなくなったような感覚で「ふわっふわっ」した感覚だった。

その感覚を拭えないまま容赦なく2球目がやってきた。

「ドスンッ」

「もう一生後ろにいるRさんを見ることができない」と思うほどの豪快な空振りをしてしまった。しかし、そんな切羽詰まった状態にも関わらず、「足を上げずにノーステップで打った方が良いんじゃないか?」と咄嗟に判断した。

その時は、「何か変えなきゃ」と思って「ノーステップ」に変えたのだが、これが功を奏した。3球目、

「ズコンッ」

「やっと当たった!」。当たりはボテボテのピッチャーゴロといった感じだったが、当たったことで少し落ち着きを取り戻した。

おそらく足を上げて打っていた時は、緊張もあってか頭が上下に振れていたと思う。それを「ノーステップ」に変えたことで頭のブレがなくなって、ボールの軌道に素直にバットが出てくれたのではないかな?と思っている。いずれにしてもエンゼルスの大谷翔平の「ノーステップ打法」をBSで観ていたおかげでヒントを得られた。「サンキュー オオタニさん!」

まさかここで大谷翔平に助けられるとは思わなかったが、3球目からボールに当たるようになり、最後の打球はレフト方向へ引っ張った良い当たりが飛び出した。

打撃を終えてRさんと交代する際に、「うすしおさん ナイスバッティング!後半良かったですね!」とお声をかけてくれた。

そんなこと言われたら「ハグ」の一つや二つやってみたかったが、如何せん私は「恥じらいの国」日本生まれ、初めて日本人として生まれたことに悔やんだ。

そして2ゲーム目が始まった。相変わらずRさんは的確にミートしてヒット性の当たりを連発していた。あわやホームランかと思わせるホームランボード横10センチ付近にボールが着弾した当たりも飛び出した。私はその光景をただ見入ってしまった。

そして私の2ゲーム目はと言うと、徐々に調子が上がってきた。しかし、今まで「ノーステップ」で打ったことがなかったため、ボールに当てることができてもパワーが伝わらなかった。冷静さを取り戻し「ふわっふわっ」感もなくなったので、一度「足を上げる打法」に戻してみた。

すると慣れ親しんだ打法は威力を発揮して、Rさんに引けを取らない打球を飛ばすことができた。

エンジンがかかってきた私は続く3ゲーム目に集大成を披露しようと意気込むが、Rさんの体調が良くないらしくこれにてゲームセットとなった。

それでは私の独断と偏見で評価してみた。

Rさん
空振り数★★★★★(少なかった3?)
構え方★★★★★(カッコイイ)
インパクト音★★★
ライナー性の当たり★★★★
相手からの印象★★★★★

うすしお
空振り数★★(多い12)
構え方★★(ノーステップはダサかった?)
インパクト音★★★★(後半いい音連発)
ライナー性の当たり★★★(後半巻き返し)
相手からの印象★★★★(褒めてもらった)

★5点満点で評価して、Rさんのトータルは22点、一方私のトータルは15点という結果だった。対戦結果としては負けてしまったが、Rさんに褒めてもらったことは私にとって満足のいく結果を残せたと思う。

その後、私達はバッティングセンターから程近いイタリアンのお店に向かった。どうにか天気も持ち堪えてくれて、おかげで100均折りたたみ傘の出動とはならなかった。

正直に言うと、バッティングセンターに全総力を注ぎ込んだ為、私もヘロヘロだった。家に今すぐ帰りたい気持ちもあったが、Rさんとおしゃべりしているとすごく癒されて、食事を終えた頃にはもう少し一緒に居たいとさえ思えた。

そして次のデートの日取りを決めてお別れとなった。ただ一つ気になるのがRさんの体調だった。ディナーの際も相変わらずRさんのゲラは続いていたのだが、前回、披露してくれた「上沼恵美子」風の豪快な「笑い方」は影を潜めていた。

やはりRさんには「上沼恵美子」がよく似合う。次回は絶好調のRさんを見てみたい。