新しい恋活・婚活支援形態

日頃、仲良くしてもらっている不動産会社勤務のKさん。主に、賃貸物件を取り扱っているため独身のお客さんが多いらしい。

物件の案内をしている最中の車の中で、話が弾み、時にはプライベートな話題で盛り上がり、彼氏・彼女募集中のお客さんに出会うという。おそらく、Kさんの優しい雰囲気や話し上手、聞き上手な所がお客さんの心を開いてプライベートな事まで話してしまうのだろう。

Kさんは既婚者なので、独身の知り合いや恋人が欲しいお客さん同士を結びつけることに喜びを感じている。実は、Kさんにもメリットがあって、お客さん同士を引き合わせて上手く行けば、同棲生活を始めるなどしてまた広い部屋を探しにやって来る。そして、上手く行かない場合でも「また紹介しますね!」と応援すれば「この人は親身になってくれる!」とお客さんは喜んでくれて、物件を探している新たな友人や知り合いを紹介してもらえるとのことだ。これこそが正にWINーWINの関係だろう。

そんなKさんと先日食事に出かけた。話題の大半はやはり私の婚活状況だった。あまり上手く行ってないことを包み隠さず話した。すると待ってましたとばかりにKさんは、彼氏募集中の女性がいると話し始めた。

Sさんという女性で年齢は33歳、金融系の事務をしているとのことだ。動物好きで少し人見知りするタイプだそうだ。3ヶ月前から物件を探しているようでまだ見つかっていないらしい。Sさんが初めてKさんの勤める不動産会社に来店した時、Sさんから「熱帯魚はペット不可のマンションでも飼うことができますか?」との質問があったという。

Kさんは「水槽の大きさにもよりますが、大概のオーナーさんは許可してくれますよ!」と答えた。するとSさんは「分かりました。また来ます」と言ってその日は帰ったそうだ。

その日から2ヶ月後、Sさんは電話で「猫を飼い始めました。ペット可のマンションを探してもらえますか?」との問い合わせがあったらしい。Kさんは「喜んでお探し致します。それ以外の条件もございますか?」と訊き出して翌日の来店に備えて物件資料を準備した。

翌日、Sさんが来店して、物件資料から3件を選び、その物件を見に行くことになった。しかしSさんは自分がイメージしていた部屋ではなかったらしく、例えばトイレの空間が思っていたより狭く圧迫感があるなど、その日は成約には至らなかったらしいのだ。

その話を聞いた私は「Sさんは完璧主義者なのかな?」と感じた。

そして先日、Sさんが再来店したらしい。担当のKさんと談笑していた時、Sさんがこう言った。

「ペットがまた増えたんですよ~!ヘビが私の家族の仲間入りしましたー

それを聞いた私は、

「うそでしょー」

すると私のリアクションを見たKさんはすぐさま

「そんな可愛らしい個性的なSさん 良かったら紹介しますよ!」

と笑みを浮かべながら言ってきた時の顔は、明らかに悪役を演じる笑福亭鶴瓶の策略に満ちた顔と瓜二つであった。

私は小学校時代、草野球をやっていた時に、たまたまヘビを発見して、好奇心でヘビに触れていたら「ガブッ」と噛まれた経験がある。毒ヘビではなかったが、あまりのショックでそれ以来ヘビはトラウマとなってしまった。

Sさんが飼っているヘビは飼育ケースに収まるほどのサイズらしいのだが、問題はサイズではない。ヘビそのものが苦手なのである。さらにSさんはサソリにも興味を持っているらしい。

今回、紹介してもらった女性は、私にとってあまりにもハードルが高すぎたためお断りをしたが、今後も紹介してもらえる約束を勝ち取ってお食事会はお開きとなった。

不動産会社の営業マンは本当に顔が広い人が多い。Kさんのような気さくな不動産会社の営業マンと接する機会があるならば仲良くして損はないと思う。