WANTED!

先日、久しぶりに社会人サークルの飲み会に参加した。私が参加した社会人サークルは、システム自体は婚活パーティーと変わりなく、男性と女性が対面で座って、お酒や大皿に盛られた料理を飲み食いしながらおしゃべりを繰り広げるといった具合だ。

ある程度の時間が経過すると、同じテーブルに座っていた3~4人の男性とともに、別の女性のテーブルに移動していき、最終的に4つのテーブルを回り、全員の女性と話せる機会があるといったシステムになっている。自己紹介タイムなどはなく、各自、自由に話すことが出来て、まるで「相席居酒屋」のようなゆるい感じの婚活場である。

皆出会いを求めてやって来るが、私以外はガツガツしているという雰囲気はなく、男女含めてまずは「仲良くなりましょ!」って感じで進んでいった。

今回の飲み会は、同性との相性も重要になってくる。同性同士が仲良くなると連携が上手くいき、女性陣と会話が自然と盛り上がってくるからだ。

幸運にも、私がいたグループの男性陣とは馬が合い、テーブルを移動して行くに連れて友情が育まれていった。特に仲良くなったのが、隣の席にいたK君だった。

K君は30代後半で、私と同じように婚活サイトを主戦場とし、時々社会人サークルの飲み会に出席しているとのことだった。婚活年数や悩み事など似ている点が多かったため、時折、女性陣そっちのけで婚活話に花を咲かせた。

お互い実際に会った女性の話をしている時に、K君が出会ったある女性の話にあまりにも衝撃を受けてしまった。

その女性の名前をHさんとしよう。K君がHさんのプロフィールを見て「いいね!」を送り、すぐにマッチング成立した。それからメッセージのやりとりが始まり、あれよあれよという間に会うことになった。

K君はメッセージのやりとりを通じて、Hさんの面白いところや心優しい部分を知り、見た目もどストライクだったので会うのが楽しみで仕方がなかったらしい。

そしてK君が待ち合わせ場所に時間通りに到着して、辺りを見渡すもHさんらしき女性はいなかった。するとK君は到着したことをLINEで知らせようとしたところ、一人の女性がK君に近づいてきて、話しかけてきた。

「こんばんは はじめまして Hです」

K君が3度見するほどプロフィール写真と似ても似つかない女性がそこに立っていた。顔の大きさがプロフィール写真の2倍ほどあり、モデルの冨永愛風の目が細くてキリッとした女性が来ると思っていたが、そこに立っていたのは、西の横綱 豪栄道似の女性だった。

「彼女がもし何かの罪で指名手配になったとしても、プロフィール写真からHさんを捕まえるのは不可能でしょ!」

とK君は声を大にして私に訴えかけてきた。そんなに違うのなら確かにK君の言う通りだと思う。

しかもHさんは面の皮まで厚かった。K君がその容姿に呆気にとられていると、Hさんはすかさず、

「店に移動しませんか」

と催促する始末。気合入れて高級なイタリアンを予約したK君の気持ちなど知る由もなく、Hさんは欲望のまま次々に料理を注文していったそうだ。

注文を終えた後はHさんの独壇場となった。Hさんのおしゃべりが永遠に続き、国内外で行った旅行の話や今まで食べ歩いて美味しかったお店などどうでもいい自慢話が終始行われたらしいのだ。

途中でK君が

「プロフィール写真と雰囲気が全然違いますね」

とジャブを打つが、Hさんは悪びれた様子もなく

「その写真は5年前のものです」

と言い放ったらしい。

「もうこれは美味しいごはんを食べるためにだけに来た確信犯だ」と気づいたK君。

「どうやったら詐欺罪で訴えられるのだろうか?」

と終始考えていたという。

案の定、Hさんは「ご馳走様でした」と言ってそそくさと帰ってしまったらしい。

「こんな新手の婚活詐欺も出回っているので十分気をつけて!」とK君は教えてくれた。

因みにK君とはすごく仲良くなり、LINE交換もした。そしてその飲み会でフィーリングがあった女性2人組と4人で次回飲みに行くことが決まった。久しぶりに行った社会人サークルの飲み会は楽しい夜となった。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です